Misconception about the
B - 1 Grandprix

通常のイベントは開催期間に多くの集客を目的としています。
B-1グランプリの主目的はイベントをきっかけに現地に来ていただくことです。
地方で年に一度、二日間開催されるB-1グランプリは、国内最大級の集客を誇るイベントとして認知されるようになりました。
「日本最大のグルメイベント」「各地で開催されるグルメイベントの頂点」などと呼ばれることがありますが、B-1グランプリはまちおこしイベントであって、グルメイベントではありません。

料理を提供するのに「グルメイベントではない」とは

もっとも重要なポイントは開催目的です。
B-1グランプリは料理の販売をすることを目的とするのではなく、料理を通じて地域をPRすることを目的としています。

誤解のないよう申し上げますが、私たちは決してグルメイベントを否定しているわけではありません。
しかしもしB-1グランプリをグルメイベントとして開催していれば、おそらく短期間で国民的イベントと呼ばれるようになることは決してなかったでしょう。全国から料理を集めるイベントも、料理の順位を投票で決めるイベントも昔からありました。
B-1グランプリの特徴をこの二つだと考えれば、B-1グランプリが特に急成長した理由は説明がつきません。

莫大な広告費をかけているから?いいえ、B-1グランプリは広告宣伝費を持っていません。
B-1グランプリ独特の様々な仕掛けは「B-1グランプリの秘密」をお読みいただければと思いますが、ここでグルメイベントとの違いを説明していきます。

グルメイベントとの違い

B-1グランプリと混同されるグルメイベントは、大きく分けて二つの形態があります。都市圏や県庁所在地などでドーム球場やコンベンションホールなどで開催される商業系イベントと地方で開催される公共的イベントです。

① 目的の違い
商業系イベント・公共的イベントに関わらず、通常のイベントは開催期間に多くの集客を目的としています。B-1グランプリでは多くの来場者に訪れていただきますが、主目的はB-1グランプリをきっかけに現地に来ていただくことです。

多くのグルメイベント、特に商業系イベントは当日に多くの方に来てもらおうと、「このイベントでしか食べられない」といった限定企画をよく実施します。一方、B-1グランプリでは現地に来てもらうことが目的ですので、イベント当日にしか食べられないもの(特別なトッピングや素材を使用したものなど)を提供することはできません。現地で標準的なレシピで調理したご当地グルメを提供しています。

② 出展者
商業系のグルメイベントはほとんどが飲食事業者や企業が「出店」しています。文字通りお店が出ているということです。公共的イベントでも、多くは飲食事業者や企業が出店します。B-1グランプリでは料理の提供やPRパフォーマンスなどで、ブースを運営するまちおこし団体を「出展者」と呼びます。

「出展者」であるまちおこし団体は異業種の集まりであり飲食店の組合などではありません。各団体の代表者の業種は保険会社、看板屋、養蜂家、内装屋など実に様々です。ご当地グルメで地域をPRすることから展示会的なプレゼンテーションの意味で「出展」と表記します。

B-1グランプリは開催地の地元実行委員会(地元自治体・商工会議所・産業界・まちおこし団体などで組織)と愛Bリーグが共同主催で開催します。出展団体はすべて愛Bリーグ加盟団体で、愛Bリーグは互助会的組織ですので、すべての出展団体が主催者という意識を持っています。

B-1グランプリ全体が地域の展示会という考え方で、自らのブースに並んでくれたり、料理を買ってくれた方だけではなく、会場に来られた方すべてがおもてなしの対象と考えています。必ずしも十分な対応ができていないかもしれませんが、そうした意識で臨むことが、「人づくり」「人おこし」につながるものと思います。

③ 量と価格
B-1グランプリではハーフサイズでの提供と地元での販売価格を考慮して、量と価格を団体ごとに設定しています。ハーフサイズとしているのは食べ比べをしてもらうためです。価格は300円から500円ですが、食材の価格などの違いで設定しています。

都市部のグルメイベントなどではやきそばが1000円近くするものもあります。飲食を生業としていれば、高い交通費や出展料を払ってイベントに出店したら元を取らなくてはなりません。またお客様も現地に行かなくとも食べるのだから多少高くても、と納得して購入されるのだと思います。

B-1グランプリは現地に来てもらうきっかけ作りの場ですので、自慢の料理を味わってもらうことはもちろんですが、地元と同じ程度の価格で、複数のご当地グルメを口にしてもらい、合わせて地域の良さを感じてもらえればと思います。